【8月20日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相は19日、干ばつで飢饉が発生したソマリアの首都モガディシオ(Mogadishu)を、主要国の首脳としてほぼ20年ぶりに公式訪問した。

 家族と4閣僚を伴ってモガディシオを訪れたエルドアン首相は記者団に、「干ばつは全人類の問題だ。文明と現代の価値観は、ここで進行中の悲劇に試されている。文明化された世界はこの試験に合格し、西側の価値観が空疎な言葉だけのものではないことを証明しなければならない」と述べ、行動を起こすよう世界に呼びかけた。

 イスラム諸国会議機構(Organization of the Islamic ConferenceOIC)は17日、トルコのイスタンブール(Istanbul)で開いた会合で、干ばつと飢餓の支援として3億5000万ドル(約270億円)をソマリアに拠出することを決めている。

 しかしエルドアン首相はOICの拠出額は期待していたよりも少なかったと述べ、トルコはソマリアで病院の復旧や学校の建設、井戸の掘削、モガディシオ国際空港と市内を結ぶ道路の再建などのインフラ整備に投資をしていくと述べた。これに対しソマリア暫定政府のシェイク・シャリフ・アハメド(Sheikh Sharif Ahmed)大統領は謝意を表明した。

 エルドアン首相とアハメド大統領はトルコ政府が作った野戦病院や、かつての病院を転用した軍事基地を訪問した。トルコはこの軍事基地を病院に戻したいと考えている。

 この日モガディシオは終日厳重な警備態勢が敷かれた。現地にいたAFPの記者によると、エルドアン首相一行は同日夕方、モガディシオを後にした。(c)AFP/Mustafa Haji Abdinur