【7月15日 AFP】前月から戦闘が激化しているスーダン南北境界の係争地、南コルドファン(South Kordofan)地区の主要都市カドゥグリ(Kadugli)で、紛争犠牲者100人以上の遺体が穴に集団埋葬されていたことが、衛星写真で確認されたと米監視団体が14日、発表した。

 米俳優ジョージ・クルーニー(George Clooney)さんがスーダンの紛争を監視するために設立した「衛星監視プロジェクト(Satellite Sentinel ProjectSSP)」によると、米デジタルグローブ(DigitalGlobe)の衛星写真と目撃証言から、穴の場所を特定したという。今月4日までに、縦26メートル、横5メートルくらいの穴が3つ確認されたという。

 また、目撃者の話として、カドゥグリの市場と近郊の村々から集められた100人以上の遺体が、前月8日夜に穴に放り込まれたと説明した。

 南コルドファン地区では前月5日、北部のスーダン政府軍と、9日に独立した南スーダン政府を主導するスーダン人民解放運動(SPLM)系の民兵との戦闘が再燃し、いまだに終息の気配がない。中でもカドゥグリは激しい戦闘の舞台となっており、北部政府軍と北部系民兵組織がSPLM支持者を1軒1軒しらみつぶしに捜索し、組織的に殺害しているとの目撃証言がある。

 SSPは、北部政府軍が、先の南北間の内戦でSPLAに味方した先住民族ヌバ(Nuba)人を民族浄化する政府の方針を実行に移していると非難している。(c)AFP