【7月8日 AFP】9日に独立する南スーダンの議会は7日、新憲法を承認した。サルバ・キール(Salva Kiir)大統領が9日の独立式典で署名し、発効する。バルナバ・マリアル・ベンジャミン(Barnaba Marial Benjamin)情報相が同日明らかにした。

 ベンジャミン情報相は、新憲法は国民の意見を広く聴取した上で策定されたと述べ、大統領に権限を集中させる内容ではないと強調した。

 憲法草案については、一般市民が起草プロセスから除外されているとの批判があり、市民団体は、新憲法が南スーダンの与党となるスーダン人民解放運動(SPLM)の権限を一層強化する内容となる可能性があると警告していた。

 ジミー・カーター(Jimmy Carter)元米大統領の財団「カーター・センター(Carter Centre)」も2日、憲法草案には中央政府に権力を集中しかねない条項が多数含まれていると懸念を表明していた。

 憲法草案は4月、南北境界の係争地アビエイ(Abyei)地区を南スーダン領であると明記したため、北部が反発。スーダンのオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-BASHIR)大統領は、アビエイ地区を南スーダン領と主張するのであれば南を承認しないと発言した。

 ベンジャミン情報相によると、新憲法では「アビエイ地区の帰属をめぐる住民投票が行われ、南の帰属だということが選ばれれば、アビエイ地区を南の領土とする」という文言になっているという。(c)AFP

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