【6月21日 AFP】キプロスの首都ニコシア(Nicosia)の刑務所が受刑者に課している「短髪、あごひげなし」の厳しい規定について、行政監視団体キプロス・オンブズマンは20日、「行き過ぎで屈辱的」だと批判するとともに廃止を求める声明を出した。

 声明は、あごひげを生やすことを義務付けている宗教もあることから、この規定は個々の信仰や文化を尊重していないと述べている。同団体は既に、規定の廃止を勧告する文書を司法省と司法長官に送付しており、議会の人権委員会がこの問題を協議する予定になっている。

 事の発端となったのは、前週、イスラム教聖職者(37)が服役の際に頭髪とあごひげを強制的に剃られたことを受け、イスラム教徒の受刑者らが抗議行動を実施したと同国メディアが報じたことだった。終身刑を受けて服役中のキプロス人の受刑者2人も髪を刈られることを拒絶し、独居房に入れられたと伝えられている。

 刑務所側は、衛生面においても、髪の中に違法な所持品を隠すことを防ぐためにも、規定は必要だと主張している。複数の報道によると、規定に従わなかった受刑者には面会時間を短縮されるなどの罰が待っているという。(c)AFP