【1月18日 AFP】亡命先のフランスから突如16日にハイチに帰国したジャンクロード・デュバリエ(Jean-Claude Duvalier)元大統領(59)の、今後の動きに注目が集まっている。

 首都ポルトープランス(Port-au-Prince)近郊のペチョンビル(Petionville)にある高級ホテルに滞在するデュバリエ氏のもとを、親戚や軍事政権時代の閣僚、友人らが次々と訪れている。デュバリエ元大統領の代理人は、早ければ18日にも記者会見を開くと発表した。

 民主化を求める抗議運動の激化により1986年に国外に追われてから、25年ぶりにハイチの地を踏んだデュバリエ氏は、59歳という年齢よりも弱々しく見えた。

■政局への影響は不透明

 ハイチに帰国したデュバリエ氏に対し、人権団体は法の裁きを受けるよう主張しているが、1年前の大地震で疲弊しきった同国では、いまだに司法制度は十分に機能していない。さらに、大多数を占める若いハイチ国民は、1971年から86年のデュバリエ氏による軍事独裁を記憶していない。

 だが、ジャン・マックス・ベルリーブ(Jean-Max Bellerive)首相は17日、報道陣に対しデュバリエ元大統領訴追の可能性に言及している。

 デュバリエ元大統領の唐突な帰国がハイチの政局に与える影響は不透明だが、大統領選の決選投票が延期されたままの状況で、ルネ・プレバル(Rene Preval)大統領が政局の混乱助長を狙っているとの憶測も出ている。

 デュバリエ氏はフランスに帰る20日の便の航空券を予約したというポルトープランスの仏外交筋の情報もある。(c)AFP/Clarens Renois