【12月20日 AFP】国連のナバネセム・ピレイ(Navanethem Pillay)人権高等弁務官(UN High Commissioner for Human Rights)は19日、大統領選後の混乱が続くコートジボワールで、大規模な人権侵害が拡大傾向にあるとの懸念を表明した。

 ピレイ高等弁務官は、コートジボワールでは過去3日間で50人以上が死亡し、200人以上が負傷していると述べたうえで、混乱に加担した者の責任を追及していく構えを明らかにした。

 11月末に実施された大統領選をめぐっては、現職のローラン・バグボ(Laurent Gbagbo)大統領とアルサン・ワタラ(Alassane Ouattara)元首相の双方が勝利を主張。選挙管理委員会や国際社会はワタラ氏の当選を認めているが、バグボ氏側は大統領職を譲っていない。

 さらに、バグボ氏はコートジボワールの治安維持活動にあたっている国連部隊1万人を「ワタラ氏を支持する武装団だ」と非難し、同部隊の撤退を要求する最後通告を突きつけた。だが、潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長はこれを拒否。バグボ氏に大統領職から退くよう求めている。(c)AFP/Dave Clark

【関連記事】大統領選めぐり両陣営衝突、11人死亡 コートジボワール
【関連記事】「2人の大統領」が就任、混迷極めるコートジボワール