【12月5日 AFP】前週28日の大統領選決選投票を受け、政情が混乱しているコートジボワールで4日、現職のローラン・バグボ(Laurent Gbagbo)大統領と、対立候補のアルサン・ワタラ(Alassane Ouattara)元首相がともに就任宣誓した。

 決選投票の結果については2日に独立選挙管理委員会がワタラ氏の当選を発表したが、最終結果を認定する憲法評議会が、ワタラ氏の地盤である北部で選挙不正があったとして一部結果を無効にし、現職バグボ大統領が当選したと発表した。同評議会はバグボ大統領寄りとされる。

 国連(UN)、欧州連合(EU)、アフリカ連合(African UnionAU)など国際社会は、選挙委員会が発表したワタラ氏の当選を認め、これを受け入れるようバグボ氏に求めているが、バグボ氏は大統領府で支持者を前にした「宣誓」後の演説で「このところ重大な内政干渉がみられる。私はわが国の主権を守る任にあり、その点について交渉するつもりはない」と述べ、退く考えはないと明言した。
 
 一方、ワタラ氏は対抗し、宣誓書として手書きした書類に署名し、「大統領という立場で」憲法評議会へ送付した。これには「コートジボワールでは目下、異常事態が進行しており、私は憲法評議会の前で直接就任宣誓を行うことができない。そのため宣誓書を送付させていただく」と記したという。

 コートジボワールでは決選投票後、選挙がらみの暴力で少なくとも17人が死亡している。国境は軍に封鎖され、外国の報道は妨害されている。首都アビジャン(Abidjan)には夜間外出禁止令が出ているが、暴力を抑止しきれておらず、4日も前日に続き外出禁止時刻が終了するとワタラ支持の若者らが街路でタイヤを燃やすなど騒然とした。

 機関銃を手にしたコートジボワール軍がアビジャンに市内に動員されている一方で、ワタラ陣営が拠点としているホテル周辺は国連平和維持軍の武装車両が警備している。

 他方、現職バグボ氏の支持者らは街中で反白人スローガンを叫ぶなどし、特に旧宗主国フランスを中心とする外国の干渉に対して市民がもつ長年の反感をあおっている。(c)AFP/Roland Lloyd Parry