【11月21日 AFP】1月の地震の復旧が進まないなかコレラが流行しているハイチで、11月28日の大統領選の立候補者のうち4人が21日までに、コレラ対策に集中するためとして投票の延期を呼びかけた。しかし、当局は予定通り実施する方針で、主な候補者らも予定通り実施して、政治混乱の早期収拾を図るべきだとしている。

 一方、国連(UN)のナイジェル・フィッシャー(Nigel Fisher)人道調整官は20日、ハイチ対策のため国連が各国に要請した1億6400万ドル(約137億円)の支援のうち、これまでに集まったのは1割に満たないと失望感を示すとともに、浄水装置、水消毒用の塩素タブレット、経口補水塩、患者を収容するテントなどが緊急に必要だと訴えた。

 これまでにハイチ国内のコレラによる死者は1186人となり、2万人近くが病院で治療を受けているとされているが、報告が完全ではないため、実際の人数はもっと多いはずだと専門家は指摘する。

 隣国のドミニカ共和国でもこれまでにコレラ患者3人が確認された。うち2人は首都サントドミンゴ(Santo Domingo)に暮らす女の赤ちゃんとその祖母で、2人ともハイチへの渡航歴がなかった。米フロリダ(Florida)州でもハイチ旅行から戻った2人がコレラを発症している。(c)AFP/Clarens Renois