【9月16日 AFP】機械メーカーの川田工業(Kawada Industries)と独立行政法人産業技術総合研究所(National Institute of Advanced Industrial Science and TechnologyAIST、産総研)は15日、新型人型ロボット「HRP-4」を報道陣に公開した。開発者らは、高齢化に伴う日本の労働力不足を補えるロボットの開発に向けた新たな一歩になると期待している。

 川田工業の担当者によると「HRP-4」は、スリムで筋肉質の陸上選手をイメージして設計された。人間の代わりに繰り返しの多い単純作業ができるロボットの実験台となる。気取って歩きカラオケも歌う女性型ロボット「HRP-4C」を約10年をかけて改良したものだが、今回はずっとまじめなロボットのようだ。記者発表には「わが国は急速な少子高齢化が進み、その対策として労働力の補完を目的とした、人と共存する場所での単純・繰り返し作業を代行・支援できるロボットの実現が21世紀初頭の急務とされている」とある。

 公開された「HRP-4」は青と白に塗り分けられ、全長151センチ。片足で立ち、腰をひねってポーズも決めたほか、指示の声に合わせて歩行し、対象物に向かって移動した。これまでのロボットよりもより柔軟に動く関節を持ち、別途開発されたさまざまなソフトウェアを利用できる。

「HRP-4」は、1体2600万円。国内外の大学・研究機関向けに2011年1月から発売される。年間3~5体の販売を見込んでいる。(c)AFP

【参考】川田工業のHRP-4紹介ページ