【4月8日 AFP】(一部更新)中央アジア・キルギスの首都ビシケク(Bishkek)などで7日、クルマンベク・バキエフ(Kurmanbek Bakiyev)大統領の辞任を求める野党勢力と警官隊が衝突し、野党勢力は同日夜、ダニヤル・ウセノフ(Daniyar Usenov)首相が内閣総辞職の声明に署名し、代わりに政権を掌握したと発表した。大統領は小型飛行機で首都を脱出した。

 野党勢力を率いるテミル・サリエフ(Temir Sariyev)氏は同日夜、国営ラジオで首相が内閣総辞職の声明に署名したことを明らかにするとともに、ローザ・オトンバエワ(Roza Otunbayeva)元外相を首班とする暫定政府の樹立を宣言した。元外相は事態を正常化するために迅速に行動すると述べた。

 ビシケク国際空港の職員はAFPに対し、大統領が小型飛行機で脱出したと語った。

 この日ビシケクなどで起きたバキエフ大統領に対する抗議デモは瞬く間に全国規模に発展し、多くの犠牲者が報告されている。国営テレビ局が占拠され、最高検庁舎が放火されて炎上した。

 国営通信は、北部の町タラス(Talas)で起きた暴動で、視察中のモルドムサ・コンガンチエフ(Moldomus Kongantiyev)内相とアクイルベク・ジャパロフ(Akylbek Zhaparov)がデモ隊に拘束されたと報じた。警察や目撃証言によるとコンガンチエフ内相が殺害されたとの情報もあるが、内務省はこの情報を否定した。 

 保健省当局者によると、47人が死亡し、400人以上が負傷した。死者の大半は銃で撃たれたことが原因。死傷者の数は今後も増加する可能性があるという。一方、野党勢力側は100人以上が殺害されたとしている。

 同国に基地を持つ米国は「深い懸念」を示し、ロシアは事態の沈静化を求めた。(c)AFP/Matt Siegel and Tolkun Namatbayeva