【3月14日 AFP】グルジアで13日、ロシア軍の侵攻を伝えるウソの報道番組が放映され、同国は一時パニック状態となった。

 グルジア民間テレビ局Imediは、2008年のロシア軍によるグルジア侵攻の映像を放映し、ロシア軍の戦車部隊が首都トビリシ(Tbilisi)に向けて進攻中と伝え、さらに空港や港がロシア軍に空爆されたと報じた。

 ニュース放送後にテレビ局は、この報道がウソの報道であり、将来に起きる可能性のある出来事についての「シミュレーション」だったと解説した。

 しかし地元メディアによれば、この報道を受け、危険を知らせる声がいっせいに飛び交い、救急サービスは記録的な件数の電話を受信した。

 インタープレス(Interpress)通信によれば、この報道が引き金となった心臓発作や気絶が複数事例報告された。また、08年の南オセチア紛争で最大の被災地となったゴリ(Gori)では、住民数百人が地元商店に緊急物資を買いに殺到したという。

 携帯電話通信網も一時過負担で通話不能となった。

 ミハイル・サーカシビリ(Mikheil Saakashvili)同国大統領の報道官は、映像はウソであることを明確に示すべきだったと述べ、報道の基準を満たしていないと批判した。(c)AFP