【3月8日 AFP】アフリカ東部の国マラウイでは、蚊から感染するマラリアの対策として蚊帳の無料配布が行われていたが、マラリアによる死者数の抑制に効果を上げていないことを同国副保健相が5日、明らかにした。

 マラウイでは09年、報告されたマラリアの発症患者数450万人のうち、7000人が死亡した。保健衛生の専門家らによると、マラリア治療に関するマラウイ政府の出費は毎年700万ドル(約6億3200万円)を超えている。

 マラウイ政府は08年から世界エイズ・結核・マラリア対策基金(Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malaria)と米国の援助で子どもや妊婦を対象に、計1万帳の蚊帳の無償提供を始めた。この結果、2000年には子どもや妊婦の6%にしか届いていなかった蚊帳が、08年には65%に急増した。

 しかし蚊帳の効果はみられず、09年の死者数は400万件の感染が報告された07年とほとんど変化がなかった。(c)AFP