【10月28日 AFP】ダルフール(Darfur)紛争を抱えるスーダンでは、予防可能な病気により5歳未満で死亡する子どもの数が毎年30万人以上にのぼっており、うち3分の1は生後1か月以内に死亡している――。ユニセフ(UNICEF)が27日、このような統計を発表した。

 ユニセフ・スーダン事務所のニルス・カストバーグ(Nils Kastberg)所長が明らかにしたもので、スーダンでは毎年、30万5000人の子どもが予防可能な病気により5歳未満で死亡しており、そのうちの11万人は生後28日以内に死亡しているという。

 人口5億5000万人のラテンアメリカとカリブ海諸国で出産が原因で死亡する女性は1年に1万人未満だが、人口約4000万人にすぎないスーダンでは毎年約2万6000人の女性が出産が原因で死亡しているという。

 カストバーグ所長は「優先順位を正しく付けて対処する必要がある。わたしが最近出向いたある街では、戦車は20台あるのに救急車はたったの1台というありさまだった」と話した。

 同国は現在も紛争状態にある。北部と南部の間で20年間にわたり続いてきた内戦が03年のダルフール紛争の引き金となり、この紛争ではこれまでに推定30万人が死亡している。また、05年に自治領となった南部の一部地域では、現在も部族抗争が続いている。(c)AFP