【9月30日 AFP】世界で活躍するカナダのサーカス団「シルク・ドゥ・ソレイユ(Cirque du Soleil)」創設者で富豪のギー・ラリベルテ(Guy Laliberte)氏(50)ら3人を乗せたロシアのソユーズ(Soyuz)宇宙船が30日、カザフスタンのバイコヌール(Baikonur)宇宙基地から打ち上げられた。ラリベルテ氏は、トレードマークのユーモアのセンスと曲芸のエネルギーを、宇宙飛行という極めて真剣な世界に持ち込みたいと意欲満々だ。

 カナダ人のラリベルテ氏は、私財から多額の費用を支払って、2週間の国際宇宙ステーション(International Space StationISS)滞在を獲得。ラリベルテ氏とロシア、米国の宇宙飛行士の3人を乗せた宇宙船は現地時間午後1時14分、バイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。

 元曲芸師で、スティルツという竹馬のような長い足を使用した芸や火を食べる奇術を得意としたラリベルテ氏は、ISSに滞在中の飛行士ら9人全員分のピエロの赤い鼻を持って行くという。出発前には、「どんなことがあっても、ユーモアのセンスは常に持ち合わせていないとね」と語り、ミッション開始後も、堅苦しく振る舞うことなくユーモアを大事にしていくと誓った。

 米航空宇宙局(NASA)がスペースシャトルを2010年に退役させることを受け、今後はソユーズに乗船できるのはクルーのみとなる。このため、民間人で7人目のラリベルテ氏を最後に、当面のあいだ民間人の宇宙飛行は休止となる。(c)AFP/Alexander Nemenov