【9月9日 AFP】スーダンで、ズボンをはいていたとして逮捕・起訴され、罰金の支払いを拒否したため収監された女性記者、ルブナ・フセイン(Lubna Ahmed al-Hussein)さんが8日、釈放された。

 フセインさんは7月3日、他の12人のズボン姿の女性とともに飲食店にいたところ、踏み込んできた警察に同行を求められた。ハルツーム(Khartoum)の裁判所は7日、フセインさんに500スーダン・ポンド(約1万9000円)の罰金刑を言い渡したが、フセインさんは支払いを拒否し、同日収監された。収監は1か月におよぶ可能性もあった。

 釈放後フセインさんは、支援者の歓声であふれる地元紙「Ajras Al-Hurriya」(自由の鐘)のオフィスで「この法律や治安警察、治安裁判所を変える戦いを続けていく」と語った。

 スーダン・ジャーナリスト連合(Sudanese Union of Journalists)のMohiedinne Titawi会長は「彼女は釈放された。われわれが罰金を払った」と述べた一方、フセインさんは「誰が罰金を払ったのかさえ知らない。私は家族や友人には罰金を払わないよう頼んでいた」と語った。

 スーダンでズボン姿の女性は珍しくないが、体の線がわかり過ぎると当局が取り締まることができることになっている。人権団体はこの判断基準が恣意(しい)的だとして批判している。フセインさんの支援者によると人口500万人のハルツームでは前年、4万3000人近くの女性がみだらな服装をしたとして摘発されたという。

 フセインさんの事件は国内外で批判を呼び起こし、国連人権高等弁務官(United Nations High Commissioner for Human Rights)の報道官や国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)がスーダン政府を批判する声明を出していた。(c)AFP/Guillaume Lavallee