【7月5日 AFP】前月28日に軍によって国外に追放された中米ホンジュラスのホセ・マヌエル・セラヤ(Jose Manuel Zelaya)大統領は、5日にラテンアメリカ各国の「数人の」首脳とともに帰国する意向を示している。大統領への支持をめぐり国論が2分された同国で暴力的な事態につながることが懸念されている。

 エクアドルのラファエル・コレア(Rafael Correa)大統領は、「危険があることは承知している。私が銃弾を受けようともそれは市民の革命のためだ」と述べ、セラヤ大統領とともにホンジュラスに行くことを明らかにした。コレア大統領によると、アルゼンチンとパラグアイの大統領も同行するという。

 セラヤ大統領はクーデター後、中南米各国をまわり自身への支持を訴えているが、その中で自らの再選を可能にする憲法改正を諦める意向も明らかにしている。

 一方、米州地域の地域機構である米州機構(Organization of American StatesOAS)は4日、ホンジュラスの資格停止について協議するため米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で緊急会合を開いた。OASのホセ・ミゲル・インスルサ(Jose Miguel Insulza)事務局長は、クーデター後にロベルト・ミチェレッティ(Roberto Micheletti)暫定大統領の政権がOASを脱退する意向を示したことに遺憾の意を示した。

 前月28日以来、セラヤ大統領支持者と反大統領派双方のデモが連日数千人規模で続いており、デモ参加者と軍の間で小規模な衝突も起きている。夜間外出禁止令や報道統制、デモ参加者の拘束などで一般の国民の生活にも影響がでている。(c)AFP/Sophie Nicholson