【6月21日 AFP】解雇や逮捕による汚職撲滅対策で、すでにナーバスになっているカザフスタンの公務員に、汚職に反対するメッセージが書かれた襟章の着用が提唱されている。

 ヌルスルタン・ナザルバエフ(Nursultan Nazarbayev)大統領率いる与党ヌルオタン(Nur Otan)の幹部Mirbulat Kunbayev氏は19日、カザフスタンの全公務員に「わたしは汚職に反対しています」と書かれたバッジを襟につけるよう義務付けるべきだと述べた。「カザフスタンの行政部門に所属する公務員は、制服の一部として必ず汚職反対バッジを付けることを推奨する」

 このピンバッジ運動の奨励に加え、同幹部は国営テレビに対しても、腐敗を悪として描き、若年層に汚職撲滅対策が広まるようなアイデアをもっと大量に放映すべきだと勧告した。さらに具体的な提案として、反汚職をテーマにした娯楽を盛り込んだゴールデンタイムのコンサート放送や、若いライターやミュージシャンを対象としたベスト反汚職ソングのコンテストなどを挙げた。
 
 カザフスタンでは過去数か月でダニアル・アフメトフ(Danial Akhmetov)国防相など、閣僚や経済界の上層部ら数十人が大規模な汚職絡みで解雇されたり、逮捕されたりしている。

 政府関係者は、省庁内で汚職摘発に対する警戒心があまりにも偏執的になっていて、一部では監視をおそれるあまり、逆に機密度の高いやりとりを路上で行う者まで出ているという。(c)AFP