【6月9日 AFP】おなかをすかせた象の群れがモザンビーク北部の村に侵入し、村全体が自宅を放棄せざるをえない状況になっていると、国営ノティシアス(Noticias)紙が5日報じた。

 同紙によると、北東の沿岸部にあるクイリンバス国立公園(Quirimbas National Park)の象の群れが食べ物を求めて付近のNraha村に頻繁に出入りするようになり、この村の約5000世帯が象の少ない地域への引っ越しを余儀なくされた。

 象の侵入で、村の農作物が大きな打撃を受け、子どもたちも象を追い払うための要員として駆り出され、学校へ通えなくなっていたという。

 同国では、1992年に内戦が終結したころから動物の個体数が回復し始め、人と動物が衝突する機会が増えてきている。特に象、ライオン、カバは、国立公園の近くで暮らす人々の生命や暮らしに深刻な影響を与えている。

 2007年の同国における野生動物による死者は133人、負傷者は51人に上っている。(c)AFP