【5月4日 AFP】ソマリア沖に海賊対策のため展開しているフランス軍とセーシェル軍は3日、新たに計14人の海賊容疑者を拘束した。

 仏海軍のフリゲート艦ニボーズ(Le Nivose)は3日早朝、セーシェル沖で武装した11人を拘束した。この武装グループは、二ボーズを商船と見誤ったとみられ、小型ボート2隻で攻撃してきたという。二ボーズは逆光の位置を取って艦影を見えにくくし、小型ボートが十分に接近するのを待って、奇襲部隊が船外に飛び出し、ヘリコプター1機の援護で容疑者らを迎撃した。

 またセーシェル軍も同日、同国の排他的経済水域(EEZ)内でソマリアの海賊とみられる容疑者3人を拘束したと発表した。30日に欧州連合(EU)の対海賊作戦「アトランタ(Atalanta)」に参加する艦船から、領海内の海賊とみられる船の存在を警告されたことが拘束につながった。容疑者らは全長6メートルほどの小型ボートに、石油数バレルと水を積載し航行していた。ソマリア人であることは認めているという。

 セーシェル当局が拘束した容疑者は、イタリア船のハイジャックに関与したとみられる前週のソマリア人9人とあわせ、12人となった。

■海賊は新たなハイジャックを公表

 一方、ソマリア沿岸ハラデレ(Harardhere)を拠点とする海賊は3日、前週1日に新たにモガディシオ(Mogadishu)沖100キロ地点で、パキスタンの会社が所有する船舶「ミサン(MV Al-Misan)」を乗っ取ったと発表した。

 近隣の長老らによると、この商船はソマリアの取引業者の依頼で、アラブ首長国連邦(UAE)から積んだ自動車や、砂糖や食用油などを運んでいたという。

 しかし、パキスタン当局は同名の船舶の登録はないとしている。

 新たな乗っ取り事件となれば、今年に入りソマリア沖で海賊被害に遭った船舶は30隻を超え、少なくとも18隻が現在も乗っ取られた状態にある。船とともに拘束されている乗組員は約300人で、3分の1近くがフィリピン人となっている。(c)AFP/Mustafa Haji Abdinur