【4月20日 AFP】トリニダード・トバゴでの米州首脳会議でベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領がバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領にプレゼントした、米国を「新植民地主義者のならず者」と批判した本が今、爆発的に売れている。

 ウルグアイ人作家、エドゥアルド・ガレアノ(Eduardo Galeano)が著した『収奪された大地-ラテンアメリカ500年(The Open Veins of Latin America)』は、中南米の植民地時代と超大国による搾取の歴史について書かれたもので、左派の間では有名な本だ。対米批判の激しさで知られるチャベス大統領はしばしば、こうした過去を引き合いに出しながら、米国を「帝国主義者」と断罪してきた。

 チャベス大統領は18日、「オバマへ。愛をこめて」というメッセージを手書きした同書をオバマ大統領にプレゼントした。このあとチャベス大統領は、報道陣に対し「この本はわれらがラテンアメリカの歴史における記念碑的存在だ」と話した。

 一方のオバマ大統領は米州首脳会議最終日の19日、記者会見で、本をプレゼントされたことを「ナイス・ジェスチャーだ」と表現し、「(本を)読むだろう」とも話した。また「わたしがチャベス氏と握手したり、会話を交わしたりしたことが米国の国益を損なうとは思わない」と述べ、両国関係が改善しつつあることを改めて示した。

 本がプレゼントされたというニュースのあと、アマゾン・ドットコム(Amazon.com)では、英語版の売り上げランクが24時間以内に734位から2位に、オリジナルのスペイン語版では4万7468位から283位へと急上昇した。(c)AFP