【4月2日 AFP】米歌手マドンナ(Madonna)さんが、2006年にマラウイの児童養護施設から迎えた3歳の養子デービッド・バンダ(David Banda)ちゃんと31日、マラウイ・ムチンジ(Mchinji)県にあるバンダちゃんの出身児童養護施設「希望の家(Home of Hope)」を再訪した。

 養子縁組後2人が同施設を訪れたのは2回目。しかし、2人を出迎えようと施設に集まった約400人の村人たちは今回、2人の姿を見ることができずに落胆した。

 村人たちの多くは裸足で、早朝から集まり、2人を見ようと周囲の木や同施設のれんが壁に登る人もいたが、私服警官や制服警官に阻まれた。マドンナさんが29日にマラウイ入りして以来追っていた外国の報道陣と警官らが、殴り合いになる場面もあった。

 ある警官は「私たちは誰一人施設内に入れないよう、監視する指示を受けている」と語った。また、マドンナさんの警護の最高責任者は「これは個人的な訪問」だと述べた。報道陣は最後には追い払われ、2人を撮影することもできなかった。マドンナさんとデービッドちゃんは同施設で2時間過ごした後、撮影を避け、別の出口から帰った。

 待っていた村人の1人は「マドンナはなぜ、せめてデービッドちゃんを見せてくれなかったのか。とても健康だと聞かされただけで、会えないなんて。デービッドちゃんは私たちみんなの子どもなのに」「私たちはただマドンナさんにデービッド君を大切にしてくれてありがとうと伝えたかっただけ」などと語った。

 100人のスタッフが勤務する「希望の家」は、小学校・中学校だけでなく、保育園も設置されている。マドンナさんは自身が設立した慈善団体「レイジング・マラウイ(Raising Malawi)」の基金で、500人の子どもたちを収容できる機関を作る目的で、同施設を訪問していた。(c)AFP