【10月29日 AFP】ナミビアで28日、9年ぶりとなる象牙のオークションが日本と中国のバイヤー向けに開催され、1日で象牙約7トン、118万ドル(約1億1500万円)相当が競り落とされた。

 絶滅の恐れがある野生動植物の国際取引に関する「ワシントン条約(Convention on International Trade in Endangered SpeciesCITES)」の締約国が今回、象牙の競売を承認したのは南部アフリカ4か国。ナミビアを皮切りに、31日にはボツワナ、11月3日にジンバブエ、同6日に南アフリカで、各国政府が所有する象牙在庫108トンが、日本と中国向けに競売にかけられる。

 ナミビアのLeon Jooste副環境相によると、日本と中国のバイヤーそれぞれ3者ずつが、非公開オークションで象牙7.2トンを118万ドルで購入した。Jooste副環境相は、記者団に対し「9トン用意していた。残りの1.8トンは、地元の宝石商や職人が利用することになる」と語った。象牙は、日本や中国から海外へ転売されないよう監視されるという。

 今回のオークションをめぐっては、日本と中国に突然大量の合法の象牙が流入するため、自然保護運動家らから、規制当局の目を盗んで密猟者が違法品をすべりこませる機会になるのではないかとの懸念の声も上がっている。(c)AFP/Brigitte Weidlich