【10月9日 AFP】観光地として知られるインド洋の島しょ国モルディブで8日、複数の政党が参加する初の大統領選の投票が実施された。アジア諸国で最長の任期30年を務める現職大統領を元政治犯の候補者が破る可能性も出てきている。

 選挙は、現職のマウムーン・アブドル・ガユーム(Maumoon Abdul Gayoom)氏(71)ほか5人の候補者による争いとなった。

 ガユーム氏の最大のライバルは、野党モルディブ人民主党(Maldivian Democratic PartyMDP)のモハメド・ナシード(Mohamed Nasheed)党首。ナシード氏は、ガユーム政権の最大の批判者で、過去に国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)の「良心の囚人」に認定されていた。

 緊張をはらみつつも民主主義への移行を進める同国にとって試金石となる選挙だが、最大野党は党員数人の名前が選挙人名簿から削除されたと主張しており、不正工作疑惑も巻き起こっている。

 有権者は約20万8000人。投票は午後9時(日本時間9日午前1時)以降、投票の列がなくなり次第終わる。開票結果は9日に判明する見込み。(c)AFP