【8月14日 AFP】グルジア・南オセチア(South Ossetia)自治州をめぐるグルジアとロシアの軍事衝突は、双方が和平案を受け入れ停戦が発効したものの、停戦の実効性については懸念が広がっている。グルジア領内では13日、南オセチアの分離支持派の武装勢力とロシア軍が略奪や放火を行っているという。

 グルジアとロシア両国は12日、フランスの仲介で停戦に合意したが、双方が互いに停戦違反をしているとして非難合戦を繰り広げている。また、ロシアに対しては欧米諸国から非難の声が強まっている。

 グルジアの要衝ゴリ(Gori)ではロシア軍の装甲車両が巡回しており、同地から75キロメートル離れた首都トビリシ(Tbilisi)に通じる道路では、約60台の戦車や装甲兵員輸送車などが見られるという。また、AFP記者は、ロシア軍兵士らが「トビリシ、トビリシ」と気勢を上げているところを目撃している。

 ドミトリー・メドべージェフ(Dmitry Medvedev)ロシア大統領が軍に戦闘停止を命じてから2日目となったが、ロシア軍は、ゴリにはロシア軍の兵力は展開してないとしている。

 ゴリ近郊の村では、南オセチアの武装勢力数百人が一部のロシア軍兵士らとともに、住宅への放火や略奪を行っている。Dzardzanis村では、一般市民と見られる男性の遺体が口から血を流した状態で放置されており、近くには、横転したミニバンの下敷きになった男性の遺体も見られた。(c)AFP/Adam Plowright and Marco Longari