【6月26日 AFP】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)親善大使の香港映画スター、ジャッキー・チェン(Jackie Chan)さんが24日、東ティモールの首都ディリ(Dili)を訪れ平和を訴えた。

 温かい歓迎を受けたチェンさんは、5000人の武術ファンを前に武術を披露した後、若者たちに薬物と暴力に手を出さないよう求めた。「私の父が40年前に私に言ってくれた言葉を皆さんに贈ります。『息子よ、忘れてはならない3つの事がある。薬物には近付かない。ギャングとは関わらない。賭け事はしない。この3つだ』と父は言っていました」

 会談したシャナナ・グスマン(Xanana Gusmao)首相は、チャンさんの訪問が武術の人気が高い東ティモールで起こる暴力を食い止めてくれることを期待すると語った。「チャンさんの訪問が我々の精神を変え、武術の理念に従って生きることを教えてくれると願っている」

 同国での失業率は5割近くにのぼり、警察当局や専門家は、ストリートギャングの2倍はいるであろう武術の集団による暴力が社会の安定を脅かしていると語る。

 2002年に、24年間続いたインドネシアの占領から独立を果たした同国は、国内の治安に関して現在も外国の軍隊に頼っている。(c)AFP