【6月16日 AFP】14日に発生した岩手・宮城内陸地震の際、土砂崩れで埋まった宮城県栗原市の旅館「駒の湯温泉」から16日、新たに男性1人の遺体が発見され、同地震による死者は10人となった。負傷者は242人に上り、12人が行方不明になっている。

 生存者の捜索活動はこの日で3日目。山間部の現場周辺には地下水がしみ出しており、救助隊が活動する地域も地面がぬかるんでいる。

 16日に発見された遺体は、倒壊した駒の湯温泉のがれきの中から収容された。この日は日の出とともに自衛隊、警察、消防隊員ら300人以上が捜索を開始し、シャベルとバケツで土砂の除去作業を行っていた。同温泉からは15日に3人の遺体が発見された。

 被災地での14日以降の余震は300回を超え、緊急避難所では被災者たちが眠れぬ夜を過ごしている。周辺では断水しているため、バケツにくんだ水でトイレを流しているという。

 自衛隊は約800人を派遣し、孤立した住宅などからこれまで数百人の住民をヘリコプターで栗原市に移送した。地元自治体によると、自衛隊の徹夜の作業の結果、主要道路の1本をふさいでいた土砂が取り除かれ、住民たちが自宅に戻れる状態になったという。しかし、新たな土砂崩れなどの発生が懸念されることから、すべての道路の全面復旧にはなお時間がかかる見込みだという。(c)AFP/Kyoko Hasegawa