【6月5日 AFP】スロベニアのクルスコ(Krsko)原発で4日、冷却水漏れが判明し、原子炉が停止した。その際、同国政府は近隣諸国に対し訓練だと誤った説明を行っていた。

 原子炉の停止に伴い欧州委員会(European Commission)が欧州連合(EU)圏内に放射線警報を発したが、スロベニア政府は直後に安全上の危険はないとした上で、問題は数日内に修復されるとした。

 ヤネズ・ポドニブニク(Janez Podobnik)環境・地域計画相によると同国の当局は近隣諸国に対し原子炉が停止したのは訓練だと誤って説明したが、「数分で」誤りに気付き訂正したとしている。オーストリアをはじめ各国は情報の混乱にいらだちを示した。

 国連(UN)の国際原子力機関(International Atomic Energy Agency)は今回の事態について逐次報告を受けていると発表したが、スロベニアをはじめ各国政府はこの問題による危険はないと説明するのに苦労している。

 スロベニア当局によると冷却システムの不備が見つかったのは4日午後3時ごろで、手動で停止したという。

 スロベニアのドラグティン・マテ(Dragutin Mate)内相は5日、「わたしが今朝把握している限りでは深刻な問題ではない。環境汚染は発生していない。状況は安定している」と述べた。(c)AFP/Bojan Kavcic