【5月9日 AFP】国連(UN)の世界食糧機関(World Food ProgrammeWFP)は9日、大型サイクロンの被害に見舞われたミャンマーに対する航空機を使った支援物資供給を、軍事政権による「受け入れがたい」制約を理由に当面見合わせることを明らかにした。

 ミャンマー問題を担当するクリス・ケイ(Chris Kaye)氏はAFPに対し「WFPに軍政が課した制約は受け入れがたい。支援物資の供給を一時停止する。今朝すでに2機が食糧供給に向かったが、荷下ろしは済んでいない。ミャンマーの社会福祉省にすでに(協力を)要請している。早急に解決策を見つける必要がある」と語った。荷下ろしが済んでいない理由は明らかにしなかった。

 3日のサイクロン上陸後、軍政は国外からの救援・支援活動を厳しく制約している。9日には、その理由を「国外から救助隊を受け入れる準備ができていないため」と発表した。また、生存者への救援物資は必要だが、その配給はミャンマー政府が独自に行うとしている。

 現時点でサイクロンの犠牲者数は約2万3000人に上っている。国連の緊急支援事業のリチャード・ホーシー(Richard Horsey )氏は、軍政が国外からの支援要員を受け入れない限り、死者数は著しく増加するだろうと警告している。(c)AFP