【5月5日 AFP】親ロシアでグルジアからの分離・独立を主張するアブハジア(Abkhazia)自治共和国は4日、グルジアの無人偵察機2機を撃墜したと発表した。同共和国では前月にもグルジアの無人偵察機が撃墜されており、地域の緊張が高まっている。

 グルジア側は無人偵察機が撃墜されたことを直ちに否定、露インタファクス(Interfax)通信によると、同共和国に平和維持軍として駐留するロシア軍もこの事実を確認していないという。一方、ロシア外務省は、違法に偵察機を飛行させ地域の緊張を高めているとして、グルジア政府を非難した。

 アブハジア自治共和国ではこれまでにも2機のグルジアの無人偵察機が撃墜されている。アブハジアの独立派組織に武器支援を行っているとしてロシア政府を非難しているグルジア政府は、4月20日に起きた撃墜事件では、ロシア軍のミグ29(MiG-29)戦闘機が偵察機を撃墜したと主張している。

 ロシア政府は、無人偵察機撃墜への関与を否定しているが、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty OrganizationNATO)、米国は懸念を表明している。

 ロシア政府が前月、グルジアからの独立を主張するアブハジア自治共和国や南オセチア(South Ossetia)自治州との関係強化を決定したことで、ロシア-グルジア間では緊張が高まっている。(c)AFP