【5月4日 AFP】県政府の自治権拡大を定めた自治憲章案についての県民投票を4日に控えた南米ボリビア最大のサンタクルス(Santa Cruz)県で、フアン・エボ・モラレス・アイマ(Juan Evo Morales Ayma)大統領の左派政権と投票を支持する先住民との間での緊張が高まっている。

 2日にはサンタクルス市中心部で、県民投票に反対する先住民5000人が「団結した人々は敗北しない」と叫びながら中心部を行進した。棒や弓矢ややりなど伝統的な武器を手にした人もいたという。

 天然ガス埋蔵量が豊富なサンタクルス県はボリビア9県のなかでも最も豊かとされる。県民投票の結果は県政府が圧倒的に優勢とみられている。自治憲章案が可決された場合、県の財政権限を拡大し、独自の治安部隊を設置する権利を獲得する。

 モラレス大統領は自治憲章案の県民投票は違憲であり分離主義的行動だとして、結果を承認しない意向を示している。

 大統領は軍を派遣するとも警告していたが取り下げ、大統領支持派と県政府支持派の衝突は増加している。

 同県の有権者90万人に対する最近の世論調査では、7割が自治権拡大に支持を示している。来月には近隣3県でも県民投票が実施され、別の2県も投票の実施を検討中だという。(c)AFP/Marc Burleigh