「007」最新作、ボンドが見せる「孤独」と「傷」
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【4月7日 AFP】エージェント「007」が間もなくスクリーンに帰ってくる。従来作品のジェームズ・ボンド(James Bond)とは異なり、新作『Quantum of Solace』では最愛の人の裏切りに傷つき心揺れる一面を見せてくれそうだ。
2006年に公開された前作『007/カジノ・ロワイヤル(Casino Royale)』では、ボンドががエージェント「007」になるまでが描かれた。ボンドと恋に落ち、のちに裏切りが発覚する女性ヴェスパー・リンド(Vesper Lynd)をエヴァ・グリーン(Eva Green)が演じた。
前作に引き続きボンドを演じる英国の俳優ダニエル・クレイグ(Daniel Craig)が、現在撮影が行われているチリで語った。
ヴェスパーの裏切りと死に心を揺さぶられたボンドは、「新たな人生を生きていくため真実を知ろうとする」とクレイグは語る。
ボンドは新作で、マチュー・アマルリック(Mathieu Amalric)演じる犯罪組織のボス、ドミニク・グリーン(Dominic Greene)を追跡しながら、オーストリア、ハイチ、イタリアなどで、これまでと同様、激しいアクションシーンを見せていく。グリーンはボリビアのクーデターを支援する見返りに、同国の膨大な資源を手中に収めようとする。グリーンの活動拠点として選ばれたのは、チリ北部にあるセロ・パラナル(Cerro Paranal)天文台だ。ここには、世界で最も強力とされる望遠鏡が設置されている。
撮影クルーは、パナマやメキシコで1か月半にわたるロケを経て、先週からチリでの撮影に入っている。標高2400メートルの静かな土地にクルーが到着したとき、地元住民は熱狂した。
セロ・パラナル天文台で働く関係者は、「これは異例なことだ。報道関係者がやってくることはよくあるが、このような騒ぎはこれまでにはなかった」と話す。もっとも撮影は、望遠鏡が置かれた同天文台からは遠い屋外で行われている。
天文台のTim de Zeeuw所長は、2007年9月ごろレターヘッドに「007」と書かれた手紙を受け取った時、最初は冗談だと思ったという。実際に撮影が行われることになると、天文台で働くスタッフは撮影に条件を出した。日没後20分で始まる観測の邪魔をしない、そして日没後には撮影を終える、というものだ。
『君のためなら千回でも(The Kite Runner)』や『ネバーランド(Finding Neverland)』などを手掛けてきたマーク・フォースター(Marc Forster)監督は、インターネットで初めてこの天文台のことを知った。「ロケーションはキャラクターそのものだ」と考えていた監督は、悩み苦しむボンドと悪役の決闘の場としてここが完ぺきだと感じたという。
「アクションシーンがあるなら、ストーリーもなくてはならない。両者は密接に関係しているからだ。一方がもう一方を呼び起こしているともいえる。アクションにストーリーがなければ、中身のないアクションになる」とフォースター監督は語る。「砂漠それ自体が孤独を表す。今回のボンドはその孤独を経験することになる」(c)AFP/Natalia Ramos
2006年に公開された前作『007/カジノ・ロワイヤル(Casino Royale)』では、ボンドががエージェント「007」になるまでが描かれた。ボンドと恋に落ち、のちに裏切りが発覚する女性ヴェスパー・リンド(Vesper Lynd)をエヴァ・グリーン(Eva Green)が演じた。
前作に引き続きボンドを演じる英国の俳優ダニエル・クレイグ(Daniel Craig)が、現在撮影が行われているチリで語った。
ヴェスパーの裏切りと死に心を揺さぶられたボンドは、「新たな人生を生きていくため真実を知ろうとする」とクレイグは語る。
ボンドは新作で、マチュー・アマルリック(Mathieu Amalric)演じる犯罪組織のボス、ドミニク・グリーン(Dominic Greene)を追跡しながら、オーストリア、ハイチ、イタリアなどで、これまでと同様、激しいアクションシーンを見せていく。グリーンはボリビアのクーデターを支援する見返りに、同国の膨大な資源を手中に収めようとする。グリーンの活動拠点として選ばれたのは、チリ北部にあるセロ・パラナル(Cerro Paranal)天文台だ。ここには、世界で最も強力とされる望遠鏡が設置されている。
撮影クルーは、パナマやメキシコで1か月半にわたるロケを経て、先週からチリでの撮影に入っている。標高2400メートルの静かな土地にクルーが到着したとき、地元住民は熱狂した。
セロ・パラナル天文台で働く関係者は、「これは異例なことだ。報道関係者がやってくることはよくあるが、このような騒ぎはこれまでにはなかった」と話す。もっとも撮影は、望遠鏡が置かれた同天文台からは遠い屋外で行われている。
天文台のTim de Zeeuw所長は、2007年9月ごろレターヘッドに「007」と書かれた手紙を受け取った時、最初は冗談だと思ったという。実際に撮影が行われることになると、天文台で働くスタッフは撮影に条件を出した。日没後20分で始まる観測の邪魔をしない、そして日没後には撮影を終える、というものだ。
『君のためなら千回でも(The Kite Runner)』や『ネバーランド(Finding Neverland)』などを手掛けてきたマーク・フォースター(Marc Forster)監督は、インターネットで初めてこの天文台のことを知った。「ロケーションはキャラクターそのものだ」と考えていた監督は、悩み苦しむボンドと悪役の決闘の場としてここが完ぺきだと感じたという。
「アクションシーンがあるなら、ストーリーもなくてはならない。両者は密接に関係しているからだ。一方がもう一方を呼び起こしているともいえる。アクションにストーリーがなければ、中身のないアクションになる」とフォースター監督は語る。「砂漠それ自体が孤独を表す。今回のボンドはその孤独を経験することになる」(c)AFP/Natalia Ramos