【3月25日 AFP】ヒマラヤ(Himalaya)山脈の王国ブータンで24日、初の国民議会(下院)選挙が行われ、ブータン調和党(Druk Phuensum TshogpaDPT)が47議席中44議席を獲得し圧勝した。同国の中央選管が発表した。

 今回の歴史的な選挙は、ブータン王室自らが主導したもので、絶対君主制から立憲君主制への移行の総仕上げと位置づけられている。

 今回の選挙によって、同国初の民主的な政権が発足する見通しとなったが、DPTのジグミ・ティンレイ(Jigmi Thinley)党首が、新首相に就任するものとみられている。同党首は、米ペンシルベニア州立大学(Pennsylvania State University)で修士号をとり、王制下で首相を2度務めたこともある。

 一方で、ジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク(Jigme Khesar Namgyel Wangchuck)国王は、今後も国政に強い影響力を保つとみられている。

 選挙の盛り上がりにもかかわらず、多くの国民は民主主義の概念に不安を抱いているとみられる。選挙直前には、国王自ら投票に行くよう呼びかけたほどだ。国王自らの呼び掛けが奏功し、中央選管が発表した投票率は約80%に達したという。(c)AFP/Parul Gupta