【12月25日 AFP】ソマリア北東部の準自治区プントランド(Puntland)で1週間ほど前に地元武装勢力に拉致されていたフランス人ジャーナリストが、解放された。自治政府が公式に発表した。

 報道カメラマンのグウェン・ルグール(GwenLe Gouil)氏は、ソマリアや近郊アフリカ諸国から対岸のイエメンへの大量人身売買の問題の取材のため現地入りしていたところ、北部ボサソ(Bosasso)で16日、地元武装勢力に拉致された。

 武装勢力側は、当初、7万ドル(約800万円)を要求していたとされるが、自治政府のAhmed Said Nur水・天然資源相がAFPに語ったところによると、ルグール氏の解放に際しての交換条件はなく、身代金も支払っていないという。

 フランス外交筋も、24日に発表されたルグール氏解放の声明を確認し、プントランド自治政府および氏族長らに対し謝意を表明した。
 
 ニューヨーク(New York)に拠点を置く「ジャーナリスト保護委員会(Committee to Protect Journalists)」によると、ソマリアにおける報道関係者の犠牲者数は最下位から2番目と非常に悪い状況だ。

 ソマリアで独裁体制を敷いていたモハメド・シアド・バーレ(Mohamed Siad Barre)大統領が1991年に失脚して以来、同国は内戦状態に陥り治安状況が悪化しているが、1998年に自治宣言を行ったプントランドでは、南部と比較して情勢は比較的、安定していた。(c)AFP/Mustafa Haji Abdinur