【12月16日 AFP】中央アジアのキルギスで16日、憲法改正に伴う議会選挙(90議席)の投票が始まった。与党は政情安定化を図るとしているが、野党からの批判が高まっている。

 12政党が候補者を送り込んでいるが、クルマンベク・バキエフ(Kurmanbek Bakiyev)大統領がこのほど結党したAk-Zhol党の勝利が確実視されている。

 中国の西に位置する旧ソ連領キルギスでは、2005年に大規模な反政府抗議活動が起きて以来、政情不安が続いている。

「選挙法違反」による野党党首への立候補取り消しや、主要野党の1つに対する訴訟など、野党は与党政府による圧力を糾弾している。

 裁判所は15日、野党・社会民主党(Social Democratic)の第1候補者オムルベク・ババノフ(Omurbek Babanov)候補がカザフスタン人でキルギスのパスポートは無効だとする決定を下したため、その夜のうちに同候補の名前は投票用紙から削除された。ほかの野党候補者も選挙活動中に暴行を受けた。

 今回の選挙は10月に承認された憲法改正により行われ、議会の権限を強化しバキエフ大統領と野党の対立を緩和する狙いがある。

 登録有権者数は270万人。投票は日本時間同日午後11時に終了する。欧州安保協力機構(Organization for Security and Cooperation in EuropeOSCE)の監視員270人が派遣されており、17日に報告書を発表する。(c)AFP/Antoine Lambroschini