【8月13日 AFP】アフリカ西部のシエラレオネで11日、内戦終結後2度目となる大統領選挙と議会選挙が行われた。監視にあたった国際選挙監視団は12日、選挙は国際基準に沿った自由で公正なものだったことを強調したが、対立する2大主要政党はともに、相手陣営による暴力行為や不正投票が行われたと主張している。

 今回の選挙は、同国が真に内戦から脱却できるかどうかを問う試金石となった。投票結果の一部は12日に発表される予定だったが、同国選挙管理委員会のChristiana Thorpe委員長は開票結果について、これから「処理」すると語り、公式発表がいつになるかの明言を避けた。開票報告は、投票後12日以内に行うことが法律で定められている。

 欧州連合(EU)が派遣した選挙監視団のMarie-Annie Isler Beguin団長は「投票の管理は非常にうまくいった」としながらも、対立陣営が結果の受け入れを拒む可能性があることを懸念すると表明。「各政党の反応を見極めなければならない」との見方を示した。

 また、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)監視団のSeth Obeng団長は、「投票のプロセスは自由、平和かつ信頼できるものだった」と評価した。

 現地の100以上の市民団体や非政府組織からなるNational Elections Watchは、今回、監視要員5400人を送り込み、「あらゆる基準に照らして平和裡におこなわれた自由、公正かつ信頼できる選挙だった」と評価している。

 しかし、大統領選で事実上の一騎打ちとなった与党シエラレオネ人民党(Sierra Leone's People's PartySLPP)のソロモン・ベレワ(Solomon Berewa)候補と、全人民会議党(All People's CongressAPC)のアーネスト・コロマ(Ernest Koroma)候補は、相手陣営に不正投票や脅しがあったと非難の応酬を展開。

 SLPPの広報官が、「候補者や支持者、党職員に対する個人的攻撃があり、党指導部では衝撃と驚きをもって受け止めている」とコメントする一方、APCのVictor Foh幹事長は「不正投票の証拠がある」と述べ、「もし彼らがこの国の民意をゆがめるようなことがあれば、戦乱の時代に逆戻りしてしまうだろう。彼らは選挙での敗北を恐れているのだ」と語った。

 結果は大接戦となることが予想されるが、いずれも、第1回の投票で勝利を決めるのに必要な55%の得票率には及ばないとみられる。Independent Radio Networkによる非公式集計では、議会選で元与党のAPCが、現与党のSLPPをリードしている模様。今週末には、公式の中間結果が出される見込みだ。(c)AFP/Susan Njanji