【8月9日 AFP】グルジア領空を侵犯したロシア軍機がミサイル攻撃を行ったとグルジア政府が主張している問題で9日、同政府はこの主張と欧州安保協力機構(Organization for Security and Cooperation in EuropeOSCE)による内部報告の内容が一致したと発表した。

 非公開のOSCE報告書の複写を入手したグルジア政府によると、報告書には「北東から1機の飛来を観測した」と記録されているという。

 David Bakradze紛争問題担当国務相は、これは6日のミサイル攻撃がロシア軍機によるものだというグルジアの主張を裏付けており、「北東からのグルジア領空侵犯を確認したわれわれのレーダー情報とOSCEの現場報告は一致する。グルジアの北東にある国はロシアしかない」と述べた。

 AFPでは「部外秘」印が押された「ツィテルバニ(Tsitelubani)のミサイル着弾に関する現場報告」と題する3ページにわたる8日付の同報告書の複写をBakradze内相の執務室から入手した。
 
 一方、OSCEでは確認内容について公表を控えており、グルジア駐在の同広報官も談話を発表していない。

 6日にグルジアの首都トビリシ(Tbilisi)の郊外50キロにあるツィテルバニ村に着弾したミサイルは全長4.8メートル。不発だったため死傷者はいなかった。しかしこの事件で、以前から緊張状態にあったグルジアとロシアの関係は急速に対立を強めた。

 ミサイルの着弾したツィテルバニ村は、ロシア国境沿いにあり、グルジアからの分離独立を主張する南オセチア(South Ossetia)自治州周辺の紛争地帯の端に位置する。同地域の支配権は親ロシア派の反政府勢力が握っており、ロシア軍主導の平和維持軍と共同監視に当たる軍事監視団、さらにOSCEの軍事監視団が派遣されている。(c)AFP