【8月9日 AFP】イラク周辺国を中心に世界各地域の代表や国連高官らが集まり、イラクの治安安定化について協議する2日間の会議が8日、シリアの首都ダマスカス(Damascus)で始まった。

 イラクのヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相は会議に先立ちイランを訪問。また同政府の全面的協力を獲得したマリキ首相は、米国との協議も継続したい意向だ。

 イラクの混乱を助長していると米国に名指しで非難されたシリアのバッサム・アブドルマジド(Bassam Abdel-Majid)内相は、「われわれはイラクの人々がこの危機を乗り越え、イラク国内の平和を維持するために協力したい。イラク領内でのテロ行為や殺人、破壊行為などと直面し、われわれは非常に心を痛めている」と述べ、「イラクの安定を目指しシリアは行動を始めている」と強調した。

 また、具体的措置の一つとして「人や物の違法な移動を止めるため、国境警備を強化した。しかしこうした措置は国境の片側のみでやっても効果があがらない。国境管理は、2国間の責任だ」と同内相は述べる。
 
 米国政府は、イラクの反政府勢力がシリア領内との間を往来していることに対し、シリア側の対応が十分でないとしてシリアを度々非難してきた。

 2日間の会議にはバーレーン、英国、中国、エジプト、フランス、イラン、イラク、クウェート、ロシア、トルコ、米国の各国とアラブ連盟(Arab League)および国連(UN)の代表が出席する。一方、周辺地域の大国であるサウジアラビアは参加しない。(c)AFP/Roueida Mabardi