【7月5日 AFP】前月30日に総選挙が行われた東ティモールで5日、与党「フレティリン(Fretilin)」は開票作業の終了を待たずに勝利宣言を行う準備に入った。同党幹部Francisco Branco氏がAFPに明らかにした。同時に「フレティリン」は連立政権の可能性を協議しているという。

 非公式の開票結果は数時間後にも判明する見込みだが、現在のところ「フレティリン」の得票率は29.2%で、これにシャナナ・グスマン(Xanana Gusmao)前大統領が結成した「東ティモール再建国民会議(National Congress of East Timor's ReconstructionCNRT)」が23.5%で続く。

 しかし、議会での主導権を握るためには「フレティリン」は過半数以上の得票が必要となる。これが難しくなった以上、「フレティリン」は野党13党のなかから1党以上と連立政権を組まなければならない。

 「フレティリン」による勝利宣言は「時期尚早」としながらも、Branco氏は連立を前提に複数の野党と接触していると明かした。

 また、統一政府の可能性については「ありえない」と述べながらも、連立を通して東ティモール治政の実権を握りたいとしている。

 一方、政治アナリストらは、グスマン前大統領の「東ティモール再建国民会議」が小政党と連立を組む可能性が高いと予測している。

 2001年の議会選挙では57議席を獲得した「フレティリン」だが、今回の選挙で議席を大きく減らすことは確実だ。

 「フレティリン」は、首都ディリ(Dili)で2006年4月から5月にかけて当時のマリ・アルカティリ(Mari Alkatiri)首相に不満を持つ勢力による暴動以後、大きく評判を落とした。

 この暴動で37人が死亡し当時のマリ・アルカティリ首相が辞任に追い込まれた。暴動の鎮圧にはオーストラリア平和維持軍約3000人が派遣された。(c)AFP