【ディリ/東ティモール 20日 AFP】独立後初の大統領選挙で圧勝したノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者のジョゼ・ラモス・ホルタ(Jose Ramos-Horta)氏が20日、首都ディリ(Dili)の国会議事堂で就任式典に臨み、第2代大統領に就任した。

 式典には、インドネシアのハッサン・ウィラユダ(Hassan Wirajuda)外相や、ポルトガルのルイス・フェリペ・マルケス・アマード(Luis Filipe Marques Amado)外相も参列した。

 式典に臨んだホルタ氏は、「人民の名のもと、名誉のために神に誓う。大統領の職務を果たし、憲法および法律を履行するとともにそれらに従い、自由と国家の結束を保護、強化するために全身全霊を尽くす」と宣誓の言葉を述べた。

 旧ポルトガル植民地の東ティモールは1999年、住民投票でインドネシアからの独立を決定したが、反対派が激しく反発。国内は騒乱状態に陥り、2002年に独立を達成した。独立後初となる大統領選の決選投票が今月9日に行われ、ホルタ氏が得票率69%で当選した。

 国民は、ホルタ新大統領が東ティモールを新たな「平和と安定」の時代に導くことを期待している。

 ホルタ氏の就任式典では、盟友のシャナナ・グスマン(Xanana Gusmao)前大統領が権限を議会に移譲する書類に署名した。ホルタ新大統領へは、議会を経由して大統領権限が移される。

 式典では、9日の決選投票結果が公式である旨を述べた控訴裁判所の宣言文も読み上げられ、その後、参列者らは国歌を斉唱した。

 儀礼的な役割に過ぎない大統領のポストをめぐる選挙への出馬を見送ったグスマン前大統領は、より権限の強い首相への就任に意欲をみせており、結成したばかりの新党を率いて6月の議会選挙に臨む。

 写真は19日、ディリで閣僚らと写真撮影に臨むグスマン前大統領(前列中央)、エスタニスラウ・ダシルバ(Estanislau da Silva)新首相(前列左から3人目)、ルイ・デアラウジョ(Rui Maria Araujo)副首相(左から2人目)。(c)AFP/MARIO JONNY DOS SANTOS