【アルジェ/アルジェリア 17日 AFP】アルジェリア下院選挙の投票が17日、開始された。イスラム原理主義の復興が懸念され、また国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系組織の北アフリカを拠点とする勢力が選挙ボイコットを呼びかける一方で、有権者の関心は低いとみられている。

 アルジェリアの有権者数は約1880万人。争われるのは下院にあたる国民議会の389議席で、28政党から計1万2229人の候補者が出馬している。投票所は国内4万2000か所に設けられている。

 アブデルアジズ・ブーテフリカ (Abdelaziz Bouteflika) 大統領(70)率いる与党が多数派を維持するとみられ、政治的情勢は選挙結果に左右されないと予想されるため、有権者の関心は低いといわれている。

 一方、欧米諸国は石油や天然ガスなど資源の豊富なアルジェリアを、中東でのイスラム原理主義との戦いにおける戦略的パートナーとみなしており、選挙の行方を注意深く見守っている。

■アルカイダ系勢力は選挙ボイコット呼びかけ

 投票日の前日には、アルジェリア第3の都市コンスタンティン(Constantine)の労働者層の地区Daksiで、ビニールバッグに隠された2発の自家製爆弾が爆発し、警官1人が死亡、そのほか5人が負傷した。警察発表では、爆弾はそれぞれカフェの近くと交差点の中央で爆発したという。

 爆発の2日前には、アルカイダ系勢力がアルジェリア国民に対し、選挙の一斉ボイコットを呼びかけている。

 この爆発テロは、アルカイダが犯行声明を出した4月11日の首都アルジェ(Algiers)での連続自爆攻撃以来の惨事となった。4月の爆発事件では、30人が死亡、220人が負傷している。

■政府、「民主主義への意志」を示すよう投票奨励

 ヌレディーヌ・ゼルーニ(Noureddine Zerhouni)内務・地方自治相は、相次ぐ爆発事件について「アルジェリアの民主主義制度を破壊する行為」だと非難し、国民に連れ立って投票に行き「民主主義への意志」を示すよう呼びかけた。また、公営ラジオでも「こうした攻撃に対する最善の答えは、議会選挙での高い投票率だ」と述べた。

 しかし、権力が大統領に一局集中し、大統領任期が切れるのは2009年とまだ先のため、多くの国民の関心は薄く、投票率も低くなりそうだと政治評論家らはみている。

 政府は投票を奨励するため、投票日の17日を祝日とした。

 写真はアルジェ市で17日、自身の甥に見守られるなか投票するブーテフリカ大統領。(c)AFP/FAYEZ NURELDINE