【ディリ/東ティモール 7日 AFP】 2002年の独立後初となる大統領選挙の決選投票を9日に控えた東ティモールで国連(UN)は7日、国民に平静な選挙を呼びかけた。

 9日の決選投票後、敗者となった候補者の支持者による暴動などが懸念されることから、国連東ティモール統合ミッション(UNMIT)は、決選投票の結果を平静に受け入れるよう国民に事前に警告した。

 前月11日の第1回投票を受けて上位2者で行われる決選投票は、現首相でノーベル平和賞受賞者のジョゼ・ラモス・ホルタ(Jose Ramos-Horta)候補と、与党東ティモール独立革命戦線(フレティリン、Fretilin)のフランシスコ“ルオロ”グテレス(Francisco “Lu-Olo” Guterres)候補の一騎打ちとなる。

 貧困や国内混乱、地域間の対立に苦しんできた東ティモールは、新大統領に国の安定化実現の期待をかける。

 前年の大規模な国内混乱を受けて展開されている国際平和維持部隊の支援とともに、国連監視団と地元警察が厳重に警戒する中、選挙戦は平和的に終了した。

 国連警察のアリソン・クーパー(Allison Cooper)報道官は、「選挙期間中に大きな暴動や襲撃が発生したり、脅迫があったという報告は、国連ミッションに届いていない」と述べた。「選挙は円滑に進行するだろうと自身をもっている」。 決選投票後に事態が荒れるかどうかとの質問には、「東ティモールのすべての人々に、平静を保つことを呼びかける。これまでのところ、自由で公正なプロセスが実現している」と答えた。

 監視団らは、フレティリンの党首で現議会議長のルオロ候補が敗れた場合、支持者らの抗議が暴力を伴う可能性を警告する。

 ルオロ候補は6日、自身の支援者らに決選投票の結果を静かに受け入れるよう呼びかけた。

 写真は首都ディリ(Dili)で7日、庁舎に到着した大統領候補のホルタ首相(左)(c)AFP/Bay ISMOYO