【アディスアベバ/エチオピア 26日 AFP】東部ソマリ(Somali)州にある中国企業経営の油田が24日に武装グループによって襲撃された事件で、エチオピア政府は25日、拉致された中国人労働者7人の捜索を開始した。この事件による死者数は、25日までに中国人9人を含む77人にのぼっている。

 エチオピア政府は同日、事件のあった同州オガデン(Ogaden)地方にある油田に調査団を派遣した。

 この事件に関連して、オガデン地方に住むソマリア系住民の独立を目指す反政府勢力「オガデン民族解放戦線(Ogaden National Liberation Front、ONLF)」が、ネット上に「石油施設を完全に破壊した」との犯行声明を出した。

 エチオピア政府は、エリトリアが事件を影で操っていたと疑っている。情報省は、「ONLFは、エチオピアの発展を阻止しようとするエリトリア政府と手を組んだ」との声明を発表。ソマリ州のハッサン(Hassen)大統領も、襲撃者がエリトリア軍の制服を着ていたとの複数の目撃証言があるとした上で、「エリトリアの部隊と国際テロ組織が結託して、一般市民への非人道的行為を行った。エチオピアの経済施設の破壊が彼らの目的だ」と語った。

 エリトリアはこれをただちに否定。アリ・アブドゥ(Ali Abdu)情報相は、「根拠がない。エチオピアはわが国と交戦するための口実を作りたがっている」と、逆に非難した。

 エチオピアとエリトリアは、国境線の確定をめぐって1998年に紛争が勃発。2000年の停戦以後も、両国は事あるごとに非難の応酬を繰り返している。

 写真は、「オガデンの開放がアフリカを平和に導く」と書かれた幕を掲げるオガデン民族解放戦線の活動家たち(2006年8月15日撮影)。(c)AFP

  • 関連図:武装集団が中国企業の油田を攻撃