【ムチンジ/マラウイ 15日 AFP】米国のスター歌手マドンナ(Madonna)が、前年に養子縁組した男の子とその実父を再会させるため、15日に再びマラウイの孤児院を再訪問する。再訪問を控え、孤児院および周辺の「美化」が進められた。

 前年、マドンナが13か月のDavid Bandaちゃんを養子にしたことから、孤児院「希望の家(Home of Hope)」は世界の注目を浴びた。しかし、500人の収容児童の中からマドンナが「養子を品定めしている」との批判が上がり、この養子縁組は論争の種ともなった。 マドンナは15日に再び同所を訪れ、David君を実父であるYohane Bandaさん(32)と面会させる。

 David君と父親の面会について、13日に父親と話したという近隣の店員は、「8か月会っていなかった息子に会えると、父親は嬉しそうだった」と語った。この店員は、マドンナの養子縁組劇の展開に注目しているという。
 「マドンナは、この孤児院の手助けになりたがっている。ここでDavidを見つけたからね。何か恩返しがしたいんだ」

 孤児院のあるスタッフは、「外部の人には何も告げないよう言われているが、マドンナが15日にDavidを連れて父親に会いにやって来るのはみんなが知っている」と語る。なお、David君との養子縁組については現在、マドンナは最終段階の法的手続き完了を待っている状態だ。

 14日、数十人の作業員が孤児院の「化粧直し」に動員され、これまでは「希望の家」とだけぶっきらぼうに書かれていた看板が白いペンキで塗り直された。 同孤児院は首都リロングウェ(Lilongwe)から110キロ離れたムチンジ(Mchinji)県の県庁所在地から約10キロ郊外のムチンジ山ろく(Mchinji Mountain)にある。孤児院へ向かう10キロの路面は荒れていて砂埃が舞う状態だったが、マドンナ再訪問を控え、急きょ、整備作業が実施された。

 マドンナは、マラウイ国内に複数の孤児院を建設する慈善活動を行っている。リロングウェの郊外50キロにあるMphandula村に作られた孤児院は15日、現地の孤児救援グループ「Consol Homes」のYacinta Chapombaディレクターに公式に引き渡される予定だ。AFPの取材に同ディレクターは、「マドンナは単に大口の資金援助者だが、月曜日にはセンター側に鍵を渡す式典が行われる。彼女自身が鍵を渡すかどうかは不明だ」と語った。

 マドンナはDavid君との養子縁組について前年、マラウイの裁判所から18か月の暫定的な親権を得て同国外へ連れ出す許可を得たが、同国の養子縁組法に準拠していないとの論争が起こった。マラウイではエイズ(HIV/AIDS)により親を失い、孤児となる子どもが急増している。

 写真はロンドンで1月25日、映画「アーサーとミニモイたち(英題:Arthur And The Invisibles)」の封切に姿を見せたマドンナ。(c)AFP/CARL DE SOUZA