【アスンシオン/パラグアイ 2日 AFP】現地警察は2日、文鮮明氏が率いる統一教会の日本人責任者が秘書とともにパラグアイで誘拐された、と発表した。

 警察当局によれば、被害者はヴィクトリアS.A.(Victoria S.A.)社の責任者太田洪量氏(62)と日本人秘書のタカヤマ・サワコさん。誘拐犯は解放と引き替えに2万5000ドル(約295万円)を要求しているという。

 事件はパラグアイの首都アスンシオンから約200キロ離れたカーグアス(Caaguazu)で起こった。誘拐犯は、日本人の誘拐現場を偶然目撃した警察官とそのガールフレンドも連れ去った。

 共同通信社によれば、パラグアイの警察はこの誘拐事件に関して数名を逮捕したが被害者の安否はまだ不明であると述べた。一方、日本の外務省担当者は「取り扱いに注意を要する事件」だとしてコメントを拒否した。

 ヴィクトリア社は、韓国に本拠を置く統一教会がパラグアイに所有する土地の管理会社。数年前からパラグアイ中央部チャコ(Chaco)地方の広大な土地を買い占めて物議を醸していた。時事通信社によれば、太田氏は約10年間にわたり日本とパラグアイで統一教会の活動に従事していた。

 写真は首都アスンシオンで、子どもたちが遊ぶ様子を眺める警察官たち。(2002年9月14日撮影)(c)AFP/Norberto DUARTE