【モスクワ/ロシア 28日 AFP】チェロ奏者で指揮者のムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Mstislav Rostropovich)氏の80歳の誕生日を祝うパーティーが27日、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領主催で、クレムリン(Kremlin)にて開催された。

■病み上がりの同氏

 「私は世界一幸運な男のようです」肝臓の腫瘍の手術のため2月に入院したと報じられた同氏。同パーティーを撮ったテレビでは疲労して青白い表情だったというロストボーヴィッチ氏だが、このように述べた。

 このパーティーの前、プーチン大統領は、ロストロポーヴィチ氏の音楽的才能と共に、同氏の共産主義時代における人権擁護活動や抵抗運動を強調した、感情のこもった祝辞を述べた。

 「芸術と道徳は互いに敬意を表しており、全体を構成する上でなくてはならないものだという自明の理を、あなたは幾度となく証明されてきました」プーチン大統領は語った。「あなたは素晴らしいチェリスト、そして才能ある指揮者としてだけではなく、人権擁護と民主主義の理想のために妥協しないファイターとしても国際的に知られています」

 バクーに生まれたロストロポーヴィチ氏は、モスクワで作曲家ドミートリイ・ショスタコーヴィチ(Dmitry Shostakovich、1906-1975)とセルゲイ・プロコフィエフ(Sergei Prokofiev)に師事し、輝かしい国際的なキャリアを歩んだ。

■豪華出席者の数々

 500人余りが出席したこのバースデイ・パーティーには、リトアニア人チェロ奏者、ダヴィッド・ゲリンガス(David Geringas)、指揮者の小澤征爾、バイオリン奏者のマキシム・ヴェンゲーロフ(Maxim Vengerov)やグルジア人歌手のPaata Burchuladzeの姿もあった。

 写真は、モスクワ音楽院で指揮をとるロストロポーヴィチ(2006年9月25日撮影)。(c)AFP/ALEXANDER NEMENOV

  • 関連記事:「ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ 80歳の誕生日に向け退院」

  • 関連記事:「巨匠ロストロポーヴィチ、プーチン大統領の見舞いを受ける 」