【石川 26日 AFP】死者1人、負傷者200人近くを出した「能登半島沖地震」(マグニチュード6.9)から一夜明けた26日、現地では強い余震が続いた。

 自衛隊や消防隊、警察は26日、小雨の中、行方不明者の捜索活動と並行し、給水網などライフラインの復旧作業を行った。

 しかし気象庁によると、現地はこれまでに200回以上の余震に見舞われ、26日にはマグニチュード4.8と5.3の余震をそれぞれ記録した。

 能登半島では家屋数百棟が倒壊し、住民2600人以上が避難所で不安な夜を過ごした。26日の朝にはシャベルで残がいを除去する住民の姿も見られたが、一方で余震が起る度に人々は心配そうな表情で見つめ合っていた。 

 26日になり突然倒壊した建物の隣に夫と住んでいた65歳の主婦は、「電気も水も電話もつながっていない。どうしたらよいのかまったくわからない」と語った。

■当局は余震による建物倒壊を警告

 世界でも有数の地震国である日本では、建造物に対し厳格な耐震構造基準を定めている。このことは、今回の地震でも死者数を最小限にとどめた要因といえる。

 しかし当局では、損傷を受けた建物、特に重い屋根瓦を乗せた古い木造家屋が、余震によりさらに倒壊する危険性を警告している。本震で倒壊した600棟以上のうち、57棟は完全倒壊だった。

 安倍晋三首相は26日の参院予算委員会で、「被災者支援、被災地の復興に全力を尽くしていく」と述べ、支援を約束した。

 能登半島出身の著名人の1人、米大リーグ、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)の松井秀喜選手は、被災者への弔意を表明するとともに、自身の家族は無事だったことを報告し、「心配です。被害が最小限であることを祈ります」とコメントを発表した。

 写真は26日、輪島市門前町の避難所で過ごす人々。(c)AFP/KAZUHIRO NOGI