【沖縄 18日 AFP】米軍は17日、最新鋭のステルス戦闘機「F-22」を沖縄県の嘉手納基地に配備した。同機が海外で配備されるのは、今回が初めてとなり、北朝鮮の核問題を踏まえた配備と見られている。

 F-22Aラプターはレーダーに捕捉されにくい超音速の戦闘機で、17日に2機が嘉手納基地に到着。残る8機は、18日に到着した。配備は一時的なものだとされ、日本や韓国での軍事訓練が予定されている。

 米空軍は声明で、「戦闘機の配備は米軍が現状への責任を果たし、太平洋地域の安全を確保するため柔軟に対応することを示している」と述べた。

 今回の配備について軍事評論家の藤井治夫氏は、「米国は極東での軍事力を強化する」と指摘する。
「軍事的に圧倒的優位に立とうとする米国防総省の意図が感じられる。もちろん最大の標的は朝鮮半島だ」

 なお、F-22戦闘機の配備と米軍関係者250人の派遣に対し、北朝鮮や沖縄県民から抗議の声が上がっている。国内の米軍関係者の半数が駐留する沖縄では、米軍に対するさまざまな抗議活動が頻繁に行われている。

 嘉手納町の議会は前月、戦闘機配備に反対する決議案を満場一致で採択した。同町で米軍基地問題に関する委員会長を務める田仲康榮町議会議員は、駐留米軍による騒音と米兵の犯罪による被害は甚だしいと非難する。
「嘉手納町の住民は、多くの不安と悩みを抱えながら生活している。わたしたちの忍耐は限界に達した。これ以上はがまんできない」

 写真は嘉手納基地の上空を飛ぶF-22A戦闘機。(c)AFP/Yoshikazu TSUNO