【サンタ・クルス・デ・テネリフェ/スペイン 13日 AFP】「テネリフェ島に大迫力のパーティが帰ってきた」。世界でも著名なカーニバルが現在、開催されているスペイン、カナリア諸島(Canary Islands)テネリフェ(Tenerife)島の地方裁判所は、「騒々しい祝典」を禁じた裁判所命令を覆す裁定を下した。

 この訴訟は、サンタ・クルス・デ・テネリフェ(Santa Cruz de Tenerife)のカーニバルの「騒音がひどく生活が侵害される」とし、市中心部の住民の一部が起こした。前週、原告の訴えを支持する初裁定が下され、祝典などの出音量は一般的なバーの店内の音量に相当する55デシベル以下に規制された。

 しかし、8日に提出された再審請求を審理した結果、Jaime Guilarte Martin-Calero判事は11日、初裁定を「認められない」として却下した。同判事は昨年2月に別の騒音訴訟でも同様の裁決を下した。

 キリストの復活祭(Easter)の40日前頃から、世界各地ではカーニバルを催す街が多いが、サンタ・クルス・デ・テネリフェのカーニバルはリオ(Rio)のカーニバルに次ぐ盛り上がりといわれ、英独からの行楽客を中心に観光客約20万人が訪れる。カーニバルは1月31日に始まり、同市内ではさまざまなコンテストや風刺劇が行われていたが、初裁定に従った音量が守られていた。禁止が解除されたことにより、今週末16日から本格的になる音楽やダンス、パレード、その後控えるカーニバル・クイーンの選出などは例年通りの大音量で行われることとなった。

 写真はサンタ・クルス・デ・テネリフェのカーニバルで、カーニバル・クイーンの座を競う女性たち(2004年2月18日)。(c)AFP/Pierre-Philippe MARCOU